最年少気象予報士、島田有吾さん研究インタビュー

当時最年少で気象予報士に合格された島田有吾くん。現在行われている台風の研究や、気象に興味を持ったキッカケなどについてインタビューを行いました。

合格率約5%の気象予報士試験に、男子最年少の小学6年生(当時)で合格した島田有吾さん。

現在は角川ドワンゴ学園 研究部で学外部員として、台風について研究中とのこと。研究や考え方、これまでの経歴について詳しくインタビューさせてもらいました。

※角川ドワンゴ学園研究部
角川ドワンゴ学園研究部とは、金銭支援や専門家からのアドバイスなどを受けて研究を行うことができる中高生向けの研究プログラム。人文系から数理系まで、様々な研究を行う中高生が在籍している。

ぴく 本日はお忙しい中取材を受けていただきありがとうございます。

島田さん いえいえ、よろしくお願いします。

ぴく よろしくお願いします。早速ですが、現在行われている研究内容について教えてください。

僕の研究は最盛期以降の台風に海面水温が与える影響についてです。

ぴく なぜその研究を始めようと思ったのですか?

台風って発生期→発達期→最盛期→衰弱期と分かれているんですけど、衰弱期の研究ってほとんど研究が行われていないんです。発生期、最盛期はかなり研究されているんですけれどね。そこでまだまだ明らかになっていない部分が多い衰弱期の研究をしようと思いました。

また、CReSSという気象シミュレーションソフトを貰ったのもきっかけです。WXBC(気象学会ジュニアセッションの上位者1/4が選抜される)で去年の8月に発表した時ですね。

せっかく貰ったならシミュレーションやりたいなぁ〜と。

ぴく なるほど。色々なタイミングが合わさった結果、現在の研究を始められたのですね。ところで、なぜ様々なトピックスがある気象分野のなかで、「台風」という研究テーマを選ばれたのでしょうか?

僕の住んでいる福岡は、非常に台風の多い地域です。ある時スーパー台風と報道され、凄く恐れられていたのに、実際には大した被害が出なかったという台風のニュースを見て、なんか台風って面白いなと感じ——いやなんか台風面白いっていうのも語弊があるので訂正しますと(笑)——メカニズムとかに興味がわいて、とにかくそこで台風についての研究を行いたいなと思いました。

ぴく 地元の問題に根ざした研究でもあったということですね。特に研究で苦労した点はありますか?

気象予報士の資格を小6で取ってから研究を始めたのですが、

研究部入る前は、ずっと一人でやってたので寂しかったし上に、予算もなかなか厳しくて……(笑)

ただ研究部入ってからはずっと順調ですね。

ぴく これまではどういった研究を?

研究はずっと台風ですね。1回目のテーマは中1のときで、台風の位置とか海面水温とか熱帯低気圧の関係とかについて研究してました。その時は統計データを使いました。

また、そのときは共同研究者として九州大学の名誉教授の先生と一緒にやらせてもらっていました。

それで2回目が今回のやつですね。なのでシミュレーションを使ったのは今回が本当に初めてです。

ぴく なるほど。そもそもなぜ気象という分野に興味を持ったのですか?ご両親が気象関連の仕事だったり?

いえいえ(笑)両親はどっちも気象に全く関係ないですよ。気象に興味を持ったきっかけは多分天気予報ですかね、小学2年生のときぐらいに気象予報士の人をみて刺激されて。お天気お姉さんとか。

小2の時に初めて気象予報士になろうと思って、小4で初めて受けて、そこから何回か挑戦して小6の時に初めて受かりました。

ぴく 凄いですね、僕は小4の時ひたすらに銀魂とか見てましたよ。気象の好きなところだったり、これが魅力だと思うところはありますか?

そうですね……気象の魅力はやっぱり机の上で計算したり考えたりするだけじゃなくて暑かったり雨降ってるだとか実際に体験できるところが魅力だと思います。

ぴく 確かにそう考えるとかなり珍しい学問ですね。スケールが大きいですし。その発想はなかった。話が変わってしまうんですが、研究以外に普段されてるのですか?

一応今年から高校受験の準備をする受験生なので、学校の勉強してるのと、あとは……えっと……ゴロゴロしてますね(笑)

ぴく なるほど(笑)急に親近感が湧きました。いいですね。気象に興味を持つ前にはどんなことをされていたんですか?

そうですね……いろいろやってました

3歳ごろからかるたとかやってて、その後は水泳やってましたね。

小3ごろに、全国展開してる水泳のジムの大会で全国3位ぐらい取りました。

ぴく すごい!!まさに文武両道ですね!

ちょうどその後に家庭の事情で沖縄に引っ越しまして、そのタイミングで水泳はやめちゃいましたね。小5のときに一瞬だけ復帰したんですけど。

ぴく そこからはずっと気象一筋ですか?

そうですね。そこからはずっと気象です。

ぴく なるほど。次に、これからしたいことや、将来の夢を教えてください。

うーん。とりあえず良い感じの高校に行って、東京の大学行って、あとはどうしよう……

頭のいい東大とか筑波大学とかで気象の研究をしたいですね。

ぴく というと大学院まで進む予定ですか?

うーん(笑)院とかはまだ分からないですね。あんまり決めてないです。

ぴく なるほど。そんなに進路は固まってない感じなんですね。意外です。将来の夢とかはありますか?

まだ分かんないですね……でもやっぱりテレビの気象予報士に憧れを持ったのが気象の勉強を始めたきっかけなので、気象予報士になるかもしれません。

ぴく 既に資格持ってますもんね(笑)

そうですね、一番楽な道ではあります。(笑)

ぴく それ僕も言ってみたいですね。かっこいい。

あ、でも少しだけ有名にはなりたいです。

ぴく 意外。なんかそういう欲みたいなの無いのかと思ってました。

全然ありますよ(笑)

ぴく そりゃそうですね(笑)人間ですもん。近い内にやりたいこととか人生プランとかはあります?

えーと人生プランですか、とりあえず高校行って良い感じの大学行って、就職ですかね……やっぱりあんまり進路は決めてないですね。

あと他には地学オリンピックに去年も出たんですけど、案の定気象以外ちんぷんかんぷんで。でもこれから頑張りたいです。まだまだ中学生で、チャンスは沢山あるので。

ぴく 良いですね〜。ぜひとも頑張ってほしいです。聞きたいことは以上です。本日はお忙しい中取材を受けてくださり、ありがとうございました。これからも応援しています。

いえいえ、こちらこそありがとうございました。楽しかったです。