研究・開発に取り組むあなたへ!中高生が応募できる研究助成プログラム一覧【2025年6月版】
中高生の皆さん、学校の探究学習では物足りないと感じていたり、研究・開発にあたってアドバイスや資金援助を得たいと考えていたりしませんか?そんな皆さんが研究・開発を進める上でぜひ応募してみてほしい、学校の枠を越えて応募できる研究助成プログラムの一覧です。

本記事執筆にあたり、実際に過去に各プログラムに参加した方々から、参加した感想や応募に際し知っておいてほしいことなどについてまとめた文章を匿名でご提供いただきました。皆さまのおかげで、単なるまとめ記事に留まらない内容になりました。ご協力いただいた皆さまに深く感謝申し上げます。
※2025年6月時点での情報のため、誤りが含まれている可能性があります。応募にあたっては必ず募集している団体による情報をご確認ください。
※本記事上の「参加した先輩からの一言」は、Larva06運営の呼びかけに共鳴してくださった過去参加者の皆様のご厚意で、匿名でご提供いただきました。無断転載はお控えください。
1. 大学が実施しているプログラム
以下は、大学が実施しているプログラムです。この中には、JST(国立研究開発法人科学技術振興機構)の支援を受けて実施する次世代科学技術チャレンジ事業であるGSC※ プログラムに、過去採択されていた、あるいは現在採択されているものが含まれます。
https://www.jst.go.jp/cpse/stella/index.html
※GSC: Global Science Campusの略。
1.1. 東京大学 UTokyoGSC-Next
UTokyoGSC-Nextは、グローバルな視点に立って、未来社会をデザインできる革新的な科学技術人材を育成する3段階のプログラムである。高校生が応募できるのは第二段階「成長コース」と第三段階「発展コース」である。第二段階ではワークショップ等を通して研究計画を練り、第三段階では東京大学の研究室にて自ら研究活動を行う。企業等とも連携して、STEAM的な領域を横断した視点を養うことを旨とする。
https://gsc.iis.u-tokyo.ac.jp/
対象: 高校1、2年生・中等教育学校4~5年生・高等専門学校1~2年生
※毎月2回程度、主に土曜日に開催される東京大学で行う講座に受講できる方
応募・審査の流れ: 「応募書類(①自己推薦文、②レポート課題)」と「必要な情報」を準備したうえで、応募フォームから応募。
募集時期・人数: 募集は4〜5月で、人数は60名程度。
費用: 受講費用は無料
- 大学までの交通費は受講生負担となりますが、遠方の方に限り、規定に従い一部補助する予定です
参加した先輩からの一言
〇どういう指導を受けたか
第二段階の指導はほとんどがオンライン講義だったが、受講生同士のディスカッションを重視する内容構成だった。オンライン講義では、事前課題の授業動画を見た感想やその知識をどう研究に応用するか、などについて受講生同士でディスカッションをしたり、研究者の講演をオンラインで聞き、それについて議論を深めたりした。ディスカッションでは、その日ごとにグループリーダー、書記、発表担当などを決め、話し合いは受講生主導で進めた。その点では、コミュニケーション能力がかなり必要とされるように感じた。
〇どれくらい有益だったか
様々な背景・知識・志を持つ高校生と交流する機会を得られたことは、自分にとって大きな財産となった。自分の知識・視野が大きく広がり、様々な研究をより高い解像度で見ることができるようになったと感じた。また、数学(微分積分・統計)の授業や、英語論文の講義では、実践的な研究力を身に着けるのに役立った。
〇その他気をつける点など
・英語は得意でなくても問題ないと思う。もちろん、英語論文の講義などでは英語はできるに越したことはないが、英語が苦手だからという理由で応募を諦めることはしなくていいと思う。今年度は英語でのディスカッションはなかったが、配属される研究室によっては英語が公用語である可能性はある。
・自分のやりたいことが明確にあって、それを他者に伝えるコミュニケーション能力がある人はとても東京大学GSC-Nextに向いていると思う。東京大学GSC-Nextの受講生は、やりたいことを明確に持っていて、それを楽しそうに話す姿がとても印象的だった。
・応募書類を出すにあたっては、家族や先生など、身の回りの人に原稿を読んでもらって、「専門外の人にも自分の研究プランの魅力が理解してもらえるか?」という点を確認することを意識した。(参加時期: 2024年7月~)
1.2. 千葉大学 STELLAプログラム ASCENT-6E
千葉大学STELLAプログラムは、次の2つのステージからなる。STAGE1「先端基礎コース」では、科学哲学や研究倫理、データサイエンス、論理分析学等に関する講義やグループワーク、科学実験講座、英会話などを通じて、研究の基礎となる考え方を学び、研究の土台を養う。STAGE2「先進科学研究コース」では、アカデミックアドバイザーによる支援を受け、研究課題にマッチした研究室に配属され、バックアップを受けながら研究活動を進めることができる。
応募・審査の流れ: STAGE1「先端基礎コース」への応募のためには、6月にオンラインで実施されるインスタレーションコースへの参加が必須(選抜なし)。STAGE1「先端基礎コース」応募には、次の4つが必要である。
(1)活動実績報告書及び学校確認
(2)参加したインスタレーションのレポート
(3)研究計画書
(4)自己アピールのための1分動画
募集時期・人数: インスタレーションコースの応募期間は5月上旬から6月中旬。STAGE1「先端基礎コース」の募集人数は40名で、審査書類提出期間は6月中旬から7月上旬。STAGE1「先端基礎コース」の参加者のうち10名がSTAGE2「先進科学研究コース」の参加者に選抜される。
参加した先輩からの一言: 研究未経験だが好きな分野があり、経験を積みたくてGSCに応募。研究とは何かからガッツリ教わった。
1次では実験・研究に関する講座、並行で2次選抜で研究内容の相談、2次では近い内容の研究に参加した。2次選抜以降、先生とメールでのこまめなやり取りが必要なことが増えた。外部への発表会の他、ほぼ月一で進捗発表会があった。
学校との両立は大変だった。振り返るともう少し頑張れたと思うが、身についたことも多く、濃い経験ができた。(2022年7月~2024年3月参加)
1.3. 筑波大学 GFEST
筑波大学GFESTは、「未来を切り拓くフロントランナー」の育成を目的とした総合的な教育プログラムである。少人数での実験や研究者との交流を通じて科学的思考を深めるサイエンスプログラム、STEAM領域に関する講義で創造力を養うプログラム、起業家精神を培うアントレプレナーシップ講座、英語を実践的に学ぶEnglish Caféなど、多角的な学びを提供する。加えて、自主研究に特化したSSコースおよび専門的実習を行うTLコースにより、参加者の志向やレベルに応じた個別指導を受けることが可能である。
応募・審査の流れ: 応募申請書および自己推薦書をGFEST事務局へ郵送する。書類審査により選考が行われる。
募集時期・人数: 募集は5月中旬から6月中旬にかけて行われ、定員は40名。
1.4. 静岡大学Future Scientist’s School(FSS)
プログラムは3つの段階からなる。第一段階では7月頃に講義が始まり、各回2個の講義を受ける。後日感想レポートを全部合わせて2000文字程度で提出する。第二段階の研究が始まるのは10月頃で、夏休み明けに書いた研究提案書をもとに事務局が指導できる先生を探し、紹介された先生からオンラインか現地で指導を受け、6月の発表会で発表する。その後第三段階で、希望者はもう1年研究を続けられる。テーマは変更することも可能。3月にインドネシアで英語での発表の機会がある。
応募・審査の流れ: 募集枠には4つの応募型があり、応募型により必要書類が異なる。
募集時期・人数: 募集は5~6月中旬で、募集人数は60人。
参加した先輩からの一言①: 講義の質はかなり高いが10月以降はグループワークが入ってきて、自分の場合は究極の指示待ち人間グループに入ったので死ぬほど大変だった。フィールドワークもある。他の班は優秀な人が多かった。
研究に関しては普通の人は10月にスタートだったが、専門の先生がいなかったのか、事務局からメールが来たのが12月、しかも研究内容にちょびっと関係してるくらい。そして、予算が降りるのは2月までらしく、必要な物品が十分に購入できなかった。そして後半はメール送っても返信してくれず、6月の発表には指導教員の許可が必要なのだが数日間ずっと催促のメール送っても返答なし。最終的には前日の夜にメールが来たが、悪びれる様子なし…
静大GSCに限って言うと、化学と生物はいい先生がいるが、それ以外は中々いい指導が受けられるかはわからない。採択難易度自体は最後のもう1年やるやつ以外はかなり低いと思う。最後のやつも3年生は6月で引退するので倍率もそんな高くないと思う。(2023年7月~2024年6月参加)
参加した先輩からの一言②: 静岡大学GSC(未来の科学者養成スクール: FSS)に2020年度在籍していました。専門は気象学(大気光学)です。
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静大GSCでは、他のGSCプログラムの多くとは異なり、"一年目から"研究活動に取り組むことができ、二年目以降も参加希望をすれば(選考はありますが)より研究内容を深めて取り組む事ができます。だいたい月に一回ほど半日かけた講義&交流会があり、初回は研究倫理や静大GSCの開催目的の共有、自己紹介から始まったと記憶しています。二回目以降は各分野の教員による講義および交流会、英語によるディスカッションがありました。講義後はClassiというポートフォリオを記録できるアプリケーションを用いてレポートを提出する必要があり、各回ごとに講義担当の教員から質問への回答やレポートに対して長文のコメント、アドバイスなどが返ってきました。なお、私が参加していた2020年度はコロナ禍真っ只中だったためこれらは全てオンライン(Zoom)で行われました。例年は静大のキャンパス内で行われているようです。
任意参加で地学オリンピック対策のレクチャーなどもありました。
研究活動も静大のキャンパスで行うことができるはずだったのですが、当時(コロナ禍)は静岡県民or静岡県内の高校に在学しているもの以外はキャンパスへの立ち入りが禁止されており、神奈川県民であった私は一度もキャンパスに訪れることはありませんでした。
それゆえに研究指導担当教員やTAの学生はもちろんながら同じく静大GSCに参加していた同期や先輩との親睦を深めるには限界がありました。今でもオンラインで同窓会が開催されたりされなかったりしているみたいですが、静岡を拠点に開催されており参加学生も静岡県民が9割ほどを占めているため、仕方ないとも思いますが疎外感は未だに感じずにはいられません。笑
[各分野の講義]
講義内容は大学入学前の体験学習をしているかのような感覚で(現在大学に在籍して4年目になりますが学部生向けの講義よりも教育熱が強かった気すらします)、講義後のレポート提出も含めてよい体験になりました。進路選択をするうえでも、分野ごとのイメージをおおまかにですが掴めたのは面白かったですし、今現在専門が定まってしまったからこそ他の学部学科でないと受けられなかったであろう講義を学べたのは貴重だったなと振り返ってみて思います。
[英語によるディスカッション]
参加者が40人ほどいたのですが、4人ほどのグループ分けがなされ、あらかじめ決められた議題についてグループ内で数十分の英語onlyの議論をした後に各グループの代表が自分のグループの意見について発表するといった感じでした。
グループメンバーは毎回変更され、英語が得意な子が一人でもいればうまく回りましたがそうでないと半ば地獄のような時間を過ごす羽目になっていました。議題は予め共有されてはいたものの当時高校二年生で英会話に慣れていない私には難易度がかなり高く感じました。あのとき分からないながらにも英語で議論をするというのはよい経験にはなりましたが、もう少しガイドとなるような事前課題があったうえでそれを活かした議論の時間にできたらよかったのにな、と思ったりもします。私が元々英会話がある程度出来るひとであれば、有意義な時間にできたのかもしれません…
[研究活動]
私は気象学のなかでもさらにマイナーな分野の研究をしようとしていたため(気象学が専門の教員すらもいませんでしたが)当たり前に指導担当教員は専門外の方でした。たしか地震学が専門だったと記憶しております。あとになってみれば他大学の同分野の教員に指導を仰げばよかったと後悔しているのですが、当時はそんな発想すらもなく、気象学が専門ではない教員と、TA(担当教員のラボメンバー数名)と一緒に一般書やネットの解説記事を読み漁るところから始まりました。どこから勉強すればよいかもわからず、先生もアドバイスするにも難しいといった状態で本当に非効な時間を過ごしていたと思います。ですが、分からないながらにもわたしと一緒に(むしろ先生方も気象学に関しては初心者だったため)頑張って勉強するぞ!という感じで団結できて楽しかった記憶があります。笑 研究内容からは逸れているものの地震学が専門の教員からマンツーマンで分野の小話を聴けたのは贅沢な時間でした。
どこの研究プログラムでもこういった”同分野の教員がいない”という事態は平気で起こるので、そういった場合は自ら(そのプログラムの関係者でなくてもよいので)同分野の教員や研究機関に相談の連絡をしてみると良いと思います。自分一人では取り合ってもらえなさそうなら、そういうときこそ指導担当の教員を頼ってみてください。
[総じて]
私は静大GSCに参加していた一年間で特にこれといった研究成果(研究内容が評価される以前に学習段階で停滞して終わりました)を残すことはできませんでしたが、高校生が「研究とはいったいどういうものなのか?」を理解するには十分な時間と、機会をいただいたと思っています。唯一後悔した点をあげるなら、前述したように同分野を専門としている教員がいなかった場合の対処を考えられていなかったことです。実際、静大GSC修了した翌年に他の研究プログラム(コミュニティ)に参加した際にも同分野の指導者がいなかったため、静大GSCのときの反省を活かして気象庁気象研究所に自ら連絡をして研究を見てくれる教員と先輩(当時学部四年生)に繋げていただいたりすることができました。
ですので、繰り返しにはなりますがどの研究プログラムにもできることには限界があるのでそれを受け入れつつ、学べるものは全力で吸収をして、自分で出来ることは自分で(他大学の教員にアポを取ったり)してみたりすると思いの外好きなように研究ができるかもしれません。
1.5. 慶應義塾大学「医学・医療への一歩 努力は天命さえも変える」
第一段階では、医学を中心に関連する領域について、基礎から最先端に至るまでの内容を対象とした講義・実習・グループワーク等を実施する。また、国際的な活躍を視野に入れ、英語による講義や討論、科学分野における国際交流も行う。高校教諭の推薦および自己推薦による応募者の中から、小論文および面接を経て一次選抜者50名を決定する。その後、二次選抜を通過した15名は、個人研究の実施に加え、各種科学オリンピックやサイエンスライターへの挑戦に取り組む。
https://user.keio.ac.jp/~medchem/doryokutenmeikaeru/index.html
応募・審査の流れ: 応募用紙に記入し、Emailや郵送、Faxで応募。
募集時期・人数: 応募期間は4月から7月上旬で、募集人数は50名。
参加した先輩からの一言: 慶應義塾GSCは募集時期、開始時期ともに他大学GSCと比べ1ヶ月ほど遅く設けられています。そのため、他大学GSCとの併願や他のGSC落ちで倍率が高まりやすいと、GSCの運営が話していました。また、慶應はGSCの選抜と二次選抜が同じタイミングで行われます。故に、応募時点での研究進捗や将来性で研究室配属の有無が確定します。(GSC中の努力や成果で選抜は、少なくとも最初の1年に限ればありません。)
慶應GSCは現地参加必須のカリキュラムがほとんどありません。(今年度は1度も現地必須はありませんでした。逆に現地参加を抽選で選ぶ形もありました。)そのため、遠方の方はオススメかな?と思います。
GSCの内容自体は、他GSCを受講した事がないので比較出来ませんが、かなり発展的な内容を半年かけて学ぶことが可能です。(裏を返せば、「論文の読み方」みたいな初歩でなく、「英語論文の読み方」のような独学で辿り着く事が困難な内容を取り扱っているようなイメージです。)さながら学部生、大学院生の気持ちで学術に触れる事が可能なGSCは非常に貴重な経験です。
私自身は比較的幽霊GSC生でしたが、それでも貴重な経験を積めたと感じています。ぜひ検討してみて下さい!(2024年7月~2025年3月参加)
1.6. 島根大学GSC
島根大学GSCは、サイエンスに興味のある高校生が、島根大学の研究環境で学び、研究することができるプログラム。第一段階では、島根大学の大学教授による講義を受講し、その感想を提出する。講義は対面とオンラインのハイブリッド形式で実施される。第二段階では、自身の興味に基づいた研究計画をスライド形式でまとめ、その資料をもとに第三段階への選抜が行われる。第三段階では、紹介された指導教員のもと、オンラインまたは現地で研究を実施する。3月末に研究発表が行われ、希望者はその後も研究を継続することができる。
https://next-g.shimane-u.ac.jp/
応募・審査の流れ: 応募フォームよりやりたい研究について記述。
募集時期・人数: 応募は4月〜5月下旬で募集人数は50名。
費用: 受講料は無料。研究に必要な費用も島根大学GSCが負担。遠方から参加する受講生には、交通費・宿泊費の補助あり。
1.7. 広島大学 次世代科学技術チャレンジプログラム (旧広島大学GSC)
STELLAプログラムは、将来グローバルな視点で地域課題に取り組み、持続可能な社会をけん引できる科学技術人材の育成を目的とした、小中高一貫の教育プログラムである。科学に強い関心を持つ児童・生徒を対象に、大学の教育資源や研究施設を活用し、「Junior」「Senior」「Advanced」の3段階に分けて協働学習や課題研究を実施する。論理的・批判的思考力、英語による発信力、研究運営力などの育成を目指している。
小中学生を対象としたJunior Course、高校生を対象としたSenior Course、さらにSenior Course修了者の中から選抜された者を対象とするAdvanced Courseの3層構造で、大学の教育研究資源や学術施設を活用し、協働学習や課題研究などの教育プログラムを提供している。
https://www.hiroshima-u.ac.jp/stella
応募・審査の流れ: 在学学校を通じての申込方法と個人での申込方法がある。個人での申し込みでは、申し込み情報が在学する学会へ提供される。在学学校を通じての申込方法では、必要事項を入力又は記入の上、在学する学校の担当者に提出する。
募集期間・人数: 例年4月上旬から5月下旬に募集される。
費用: 受講費は無料、交通費は参加者各自負担。
1.8. 東北大学GSC
「科学者の卵養成講座」は、理系分野に関心を持つ高校1〜2年生を対象に、東北大学などの大学教員による講義や研究体験、英語での交流活動を通して、科学的思考力や国際性を育むプログラム。高校生に向けたプログラムののみにならず小中学生を対象としたプログラムもある。高校生プログラムでは、全受講生が対象の東北大学の教授が登壇し講義する研究基礎コース、研究基礎コースから選抜された受講生が対象で理系学部の研究室に一定期間所属する研究発展コース、高校で取り組んでいる研究テーマをベースに研究を行う研究推進コース、2年目継続者を対象とした研究重点コースがある。
https://mirai-eggs.org/courseintroduction/
応募・審査の流れ: 自己推薦枠と学校推薦枠がある。応募の動機、自己紹介、抱負や興味のある分野などを記入しフォームより応募。
募集時期・人数: 4月上旬から5月中旬 100名
費用: 参加費用無料、往復交通費も補助される
1.9. 神戸大学 ROOTプログラム
「“越える”力を育む国際的科学技術人材育成プログラム(ROOTプログラム)」は、科学の分野で強い好奇心・探求心を持った高校生等が、科学者や技術者を目指して活動するための教育プログラム。基礎ステージ(1年目の7月から翌年1月)と後半の実践ステージ(2年目の1月〜)から構成される。神戸大学を実施機関、兵庫県立大学、関西学院大学、甲南大学、神戸薬科大学を共同実施機関として運営が行われている。
応募・審査の流れ: ホームページの応募フォームから応募しその後面接が行われる。
募集時期・人数: 基礎ステージ受講生(約50名)は、5月下旬頃に選抜され、翌年の1月頃に基礎ステージ受講生の中から、実践ステージに進む受講生(約20名)が選抜される。
参加した先輩からの一言
神戸大学GSC(ROOTプログラム)に2019年度〜2020年度の2年間在籍していました。専門は数学(数論)です。同プログラムは一年目を「基礎ステージ」と称し、その期間に行われる研究計画書や研究発表の審査を通じて選抜された8名程度(最近は10何人に増えているのが通例ですが)が2年目の「実践ステージ」に進める、という構成です。
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基礎ステージにおいては毎月さまざまなジャンルの大学教員によるレクチャーがあり、同日の空き時間(たいていは講演が午前でした)に皆で英語の練習をするなり交流をするなりといったプログラムが組まれていました。最近はそのうちいくつ以上の分野のものに何回参加せよ、といった要求が課されているそうですが、私のころはそういう制約も緩かったのでほとんど出席していませんでした。(義務がないのは気が楽ですが、プログラム内での友達づくりのチャンスはここがメインなのでサボるとそのぶんだけ人脈が薄くなります)
私が在籍していたのはプログラム発足から3年目だったので、時間の経ったいまがどうかはわかりませんが、最大の問題点は「プログラム内に同分野はおろか数学の教員さえ居ない」
ということでした。ですので必然的に1年目は独力で研究を進めることになりました。(その体たらくでいったいどうして2年目に残れたのかはよくわかりませんが…)
前述した毎月のレクチャーも原則として同プログラムに参加している教員がブッキングされているので、数学のレクチャーは皆無でした。(これが私の出なかった要因です)
2年目はそれぞれの生徒に適切な教員がアドバイザーとして付いてくれることになっています。あまり掛け持ちという話は聞かず、マンツーマンだったように思います。
私以外に2年目に残った連中(生物系が多かったです)はその贅沢な環境を活かせた(※1)ようですが、例によって数学の教員はいなかったため、私についたアドバイザーはほとんど形式的なものになりました。特段何かを教わった覚えもなく、そもそも直接喋ったのも2,3度だった気がします。
ですので、「この人のアドバイスが欲しい!」という人を他大学から見つけてきて、メールの苦手な(※2)私はその形式的なアドバイザーに頼んで仲介役になってもらう、という形で研究を進めました。
結果として、そのとき繋いでもらった方(当時は九州にいたポスドクだった気がします)と共著論文を書こうということになり、プログラム修了後ではありましたが世には出せたので良い結びだったかと思っています。
※1. 私の2年目にあたる2020年度はコロナ禍のスタートと被ったので、フィールドワークを必要とする生徒は大いに苦労したようです。
※2. 原則としてプログラム内の連絡はSlackで行われます。メールを打つのに比べてかなり気が楽でした。
1.10. 熊本大学くまもと未来ドクター塾
熊本大学が主催する、地域やグローバルな環境問題、サステナビリティを意識したイノベーションを将来起こせるような科学技術人材の育成を行うプログラム。プログラム内では、自然や産業等の特色を本学の先生による講義・実習で学び、希望者には選抜の上、熊本大学の研究室等 で探究活動を行う「くまもと未来ドクターコース」へ参加できる。
http://hqac.kumamoto-u.ac.jp/stella/
募集対象: 小学5年生~中学3年生 合計40人
応募・審査の流れ: フォーム入力「応募した理由」「今までに 自分がやってきた活動や学習など」の提出・面接
募集時期・人数: くまもと学探求コース(一年目)40人 例年6月中旬
くまもと未来ドクターコース(二年目)10人
1.11. 九州大学「QFC-SP」
「九州大学未来創成科学者育成プロジェクト(QFC-SP)」は九州・山口の高校生を対象に、将来グローバルに活躍しうる次世代の傑出した科学技術人材を育成することを目的とした高校生対象の教育プロジェクト。参加者はまず、QFCプライマリー(第一段階)として、各分野系コースにおける基礎的な知識・技能の習得を目的とした講座を、7月から8月にかけて計4日間受講する。その後、希望者の中から選抜された者はQFCリサーチ(第二段階)に進み、九州大学の研究室において最先端科学に関する実験・実習を行う。参加者は研究室の一員としてリサーチテーマに取り組み、主体的な個別研究活動を進める。第二段階は約11か月にわたる長期コースであり、平均して月1回程度、大学の施設・設備を活用した研究を行う。
応募・審査の流れ: QFC-SP プレセミナーに参加・聴講の上、応募書類(プレセミナーレポート及びエントリーシート)を提出。
費用: 受講料は無料。遠方の受講生は、所定の条件に基づき交通費の一部を支給
募集時期・人数: プレセミナー申込期間は4月中旬から5月中旬ごろ。

1.12. 琉球大学「琉大カガク院」
「琉大カガク院」は、琉球大学が実施する高校生向けの科学教育プログラムである。理数分野に優れた高校生を対象に、第一段階では国際的な活動を含む講義や実験、グループ討議等を通じて、応用化学、海洋科学、健康医療、情報工学などの先端研究を学び、科学者に必要な基盤的能力を身につける。選抜を経て第二段階に進み、研究室に所属して本格的な研究を行い、学会発表にも挑戦する。
第一段階では、自然科学の講義や実験、研究倫理教育、論理的思考の育成を含む必修授業に加え、先端分野の選択講義を受講する。定員は15〜20名程度である。
第二段階では、第一段階修了者の中から選抜された5〜10名程度が進み、希望する分野の研究室に所属して研究活動を行う。学会発表や論文執筆、研究交流も行われる。
https://jisedai.skr.u-ryukyu.ac.jp/kagaku/
募集時期・人数: 4月〜6月(第1段階教育プログラム。定員40名程度)。なお1月〜翌年度2月に行われる第2段階教育プログラムの定員は15名程度で、第2次選抜は11月〜12月に行われる。
参加した先輩からの一言①: 1年目は、既存の研究や開発について、大学教授の授業を通して学ぶことができます。まずは1年だけでも研究の世界に触れてみることをおすすめします。2年目以降は、自分の希望に沿った(近い)研究室に配属され、より専門的な研究を進めることができます。大学院の先輩や教授からアドバイスを受ける機会も多く、学びの多い環境です。研究に対して興味が深まったら、2年目まで挑戦してみてください! 研究を始めると、同じ志を持った仲間と出会えることが大きな魅力です。同年代の人たちがどんなことに興味を持ち、どのように考えているのか、ここでしか得られない貴重な経験がたくさんあります。踏み出すには勇気が必要ですが、この機会を逃すことなくぜひ挑戦してみてください。今しかできないことがここには詰まっています!(2022年4月~2024年3月参加)
参加した先輩からの一言②: 研究倫理や先行研究の検索といった研究の基礎的な部分から、実践の研究まで、順を追って幅広く学ぶことができました。特に第二段階では、自分で研究するだけでなく、大学院生や教授たちの研究を間近で見ることができ、とても勉強になります。研究発表などについても自由度が高くて、GSCの研究発表会だけでなく、担当の先生と相談して他の学会などで発表することもできます。私含む修了生の1部はGSCでお世話になった大学に進学して、配属されていた研究室に正式に所属し、研究を続けています。研究をやってみたいけれど具体的なやり方が分からないひと、将来院に進学したり、大学教員になりたいと思っているひと、大学生活での研究を見据えて大学関係の研究者と伝手を作りたいひとには特におすすめです。第二段階での研究のガチ度には配属先の研究室によって若干の差があるらしく、配属前に顔を合わせる機会もあまりないので、事前に研究室の概要をホームページなどで確認して希望を出すといいと思います。(2022年7月~2024年2月参加)
2. その他のプログラム
2.1. 角川ドワンゴ学園 N高グループ 研究部 (「KdEi研」)
通信制高校であるN高、S高、R高からなるN高グループの部活動だが、N高グループの生徒以外でも、中高生相当の年齢であれば応募可能な研究プログラム。部員の約半数はN高グループ以外の学外部員。高校に所属していない人も応募出来る。基本的な活動は全てオンラインで完結するため、地方や海外から参加する部員やアドバイザーもいる。アドバイザーは研究経験が豊富な大学院生や研究員らから構成され、質の高い指導を受けられる。領域によっておおまかにグループ分けされるものの、グループを越えた交流が盛ん。趣味として活動している部員もいれば、国際論文を投稿したり学会発表をしたりする部員もいるなど、研究のレベルやモチベーションは人それぞれ。分野横断的で、他の研究助成プログラムの対象になりにくい人文社会系の助成も行っているのが特徴。
https://nnn.ed.jp/attractiveness/extracurricular/club/kenkyubu/
受けられる支援: slackでの研究指導、毎月のオンラインミーティングでの指導、5万円/年の活動支援費、年1~2回の合宿プログラム(交通費助成有)
応募・審査の流れ: フォーム送信による書類選考→オンライン面接
募集時期・人数: 年2回。春(4月頃)募集約20名、秋(8月頃)募集約10名
参加した先輩からの一言: 研究を志す中高生相当の年齢が所属できるプログラムの中で、おそらく研究部は一番寛容で、一番豪華なコミュニティだと自負しています。私は高校に属していないがゆえに他のGSCは応募できませんでしたし、人文・社会系の研究を支援してくれるコミュニティはなかなかありませんが、研究部は違います。院生・ポスドク・助教クラスの研究経験豊富なアドバイザーがおよそ2〜4人に1人の割合で指導してくれます。アドバイザーの方は「先生」というよりも少し目線が近い「先輩」という感じなので、仲良くなれること間違いなしです。合宿では、夜遅くまで研究について語り合うことができます。国際誌に論文を投稿しまくっている凄い人から、これから研究を始めたい人まで、様々な層がいるのも特徴です。また卒業生との交流も盛んに行われており、XなどのSNSには「研究部界隈」が形成されているのも魅力です。ぜひ研究部に応募してみてください。(2023年6月~2025年3月参加)
2.2. マリンチャレンジプログラム
日本財団、JASTO、リバネスが主催する海洋・水環境に関わる生物・ものづくり・水産などあらゆる分野の研究を支援するプログラム。
船や洋上風力発電所などの海や水中にかかわるものづくり、海洋生物や水産物の生態・活用方法の研究、海の環境を知ることや守るための研究、海にまつわる歴史や文化に関する研究を支援している。海洋・水環境分野の研究に挑戦する10代の個人またはチームが対象。
受けられる支援: 5万円の研究費+各種大会への交通費(上限あり)、研究コーチによるサポート
応募・審査の流れ: 応募フォーム送信による書類選考があり、通過者にはオンラインによる2次選考が行われる(2次選考は免除される場合もあり)。
募集時期・人数: 毎年1月~3月頃
参加した先輩からの一言: 研究全般に言えることですが、大会で評価されるには自分から積極的に行動することを心がける必要があります。また、逐一研究の進捗を報告した方がアドバイザーからの助言も受けやすく、自分が今何をすべきか明確になるので、めんどくさがらずに報告しましょう。
審査に関しては、生物や化学分野の研究についてはよく採用されている印象ですが、数学や人文学的な研究はほとんど聞きません。
成果発表機会は夏(8月初旬~中旬頃)の地方大会と冬(2月中旬)の全国大会の計2回あります。
2.3. サイエンスキャッスル研究費
株式会社リバネスとパートナー企業が設定するテーマに対し、自らのアイデアで独創的な研究を進める中高生を対象とした研究助成。用途不問の研究費の支給を原則とし、研究コーチが6か月前後の伴走を行い、研究活動全般へのアドバイスが受けられる。
受けられる支援: 5~10万円の研究費の支給、研究コーチによる伴走(半年)
応募・審査の流れ: 応募フォーム送信による書類選考の通過者には、オンラインでの二次面談が実施される。
募集時期・人数: 各賞で毎年3~5人程度を募集しており、募集時期は賞によって異なるため、下記のサイトの「募集中のサイエンスキャッスル研究費」を参照。
参加した先輩からの一言
サイエンスキャッスル研究費は、株式会社リバネスと企業が共同で、研究を行う中高生に対し、研究支援費(多くの場合5万円or10万円を3~5件)、メンタリング支援等を提供するプログラムです。下記に、私が採択していただいた際の経験から、本プログラムに対する私なりの評価を示させていただきます。
*個人の体験・感想をベースに書かれていることをご了承ください。
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●研究支援金について本研究費では、基本的に5万円以上の支援金をいただけるため、金銭面での難が多い高校生以下の学生にとってはありがたい支援が享受できることと思います。
使途を明らかにする必要はなく、口座に5万円がボンと入ってくる感じなので、比較的自由に活用できるのも魅力です。
●リバネスおよび共催企業の社員によるメンタリング
メンタリング(研究相談)は基本的に月一でZoomを通して行われますが、メールを通じてそれ以上の頻度をお願いすることも可能です。
ただし、メンターとなる社員の方のご専門が自身の研究テーマとどの程度合致するかは運が絡んでくることであり、幸運にも専門分野がマッチするような場合を除けば、専門的な質疑応答等はあまり期待できないかもしれません。研究の進め方、簡単な壁打ち、発表練習、ネクストアクションの相談等がしたい方は有効活用できると思います。
●成果発表機会の提供
研究費に採択された学生は、ほぼ自動的に「サイエンスキャッスル大会」に参加することになります(参加資格が得られるというよりは、参加することを促されます。口頭発表に採択されるとは限りませんが、私の同期の方は全員ポスター/口頭発表に参加していました)。また、それとは別に成果発表会が、共催企業の見学とセットで設定されたりします。
研究の成果発表は、モチベ向上、質疑応答を通じた壁打ち、成果のまとめ、メリハリをつけること等に寄与してくれるので、私にとっては研究費と同じくらいありがたい機会でした。
●総括
まとめると「一人で黙々と研究を進められる人」には向いているプログラムといえるかもしれません。
というのも、先に述べた通り支援金は一括支給され、使途を開示する必要がなく自由に活用できます。一方、メンタリングは必ずしも専門的な質問ができるとは限らないです。したがって、自分で計画を立て、外部の指導者を頼りながら自主的に研究を進められる方にとっては相性が良いプログラムであり、逆に指導者を求める方にとってはあまり合わないかもしれないと考えられます。
以上になります。本レビューがお役に立てれば幸いです。
2.4. もしも君が杜の都で天文学者になったら (「もし天」)
「もし天」は、高校生を対象とした天文学者体験講座である。全国から宇宙・天文に興味を持つ高校生が仙台に集まり、班ごとに議論を重ねながら、自ら研究テーマの設定、データ取得、解析、結論導出といった天文学者の研究過程を1週間かけて合宿形式で体験する。
https://moshiten.studio.site/home
受けられる支援: 東北大学をはじめとする大学教員や大学生・大学院生(SLA)による研究指導が受けられ、仙台市天文台の望遠鏡「ひとみ望遠鏡」を操作することも可能である。講座終了後も、年度末に開催される「天文学会ジュニアセッション」に向けた手厚いサポートが提供される。
応募・審査の流れ: 応募者は、以下の2つの作文課題に基づく書類選考を受ける。
・作文課題1: (1)「あなたが知りたい宇宙の謎」、(2)「その謎をどのように解明するか」というあなたのオリジナルのアイデアを合わせて800字程度で記述する。
・作文課題2: 応募動機を約400字で記述する。
募集時期・人数: 募集人数は12人。8月末に募集開始し、10月中旬に募集締め切り。
参加した先輩からの一言
もし天2023年に参加しました。かなり密度の濃い合宿となっております。1週間で研究成果を上げることは難しいですが、このイベントを通して私は「研究すること」そのものに面白さを見出すことができました。全国から来られる中高生とも交流できるので、新たな視点をもたらすものであると確信しております。天文に少しでも興味ある方はぜひ参加してみてください。
2.5. 銀河学校
銀河学校は、木曽105cmシュミット望遠鏡を使った観測と研究を行う3泊4日のプログラムである。観測で得られたデータを解析し、データが示す新たな知見を自ら考えて導き出す。現役研究者や、東京大学などで天文を学ぶ学生のサポートを受け、東京大学木曽天文台の設備(天文学に関する大量の蔵書、105cmシュミット望遠鏡、独自開発のセンサーであるTomo-e Gozen)を利用し観測を行う。
http://www.sciencestation.jp/activities/gs_application.html](http://www.sciencestation.jp/activities/gs_application.html
https://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/kisohp/OUTREACH/GS/index.html
応募・審査の流れ: 銀河学校参加の動機、最近の天文学の研究成果について、A4用紙1ページでまとめて提出する。応募者多数の場合は選考が行われる。
募集時期・人数: 高校1年生から3年生の20人を募集。募集締め切りは2月初旬。
参加費用: 10,000円(滞在費、保険料)JR木曽福島駅までの交通費は各自負担。
参加した先輩からの一言
私は、銀河学校に参加して本当に良かったと思っています。私は高校時代、天文の研究をしたかったのですが、環境が整っておらずそれは叶いませんでした。しかし、銀河学校ではその機会を得ることが出来ました。また、銀河学校で出会った友達とは卒業後も天文の話をしたり、遊びに行くほど仲良くなれました。少しでも天文に興味がある高校生は、是非応募してみて欲しいです!高三生であっても、応募してみるべきだと思います。参加は受験後ですし、自分はそこまでして参加して良かったと思っています。
2.6. ちゅら研 (美ら星研究体験隊)
自然科学研究機構 国立天文台が主催する、二泊三日のプログラム。参加者はVERA20m 電波望遠鏡を用いて強い電波の光線「メーザー」を出す新天体の探査を行う。また、むりかぶし望遠鏡を使った小惑星探査も行う。当日は天文学者による講義や施設見学、天体観望会に加え、大型望遠鏡を用いた観測やデータ解析の研究体験を行う。
https://www.miz.nao.ac.jp/content/news/event/20250425-472.html
応募・審査の流れ: 申し込みフォームから星や宇宙、プログラムに対する想い等を記入。
募集時期・人数: 高校1年生から3年生の20人を募集、6月下旬が応募締め切り。
参加した先輩からの一言: 私はVERA20m電波望遠鏡で、メーザーの新天体の探索を主に行ったのですが、電波天文学は可視光とは違った魅力があり、制限された時間の中でどのように効率的に探索を行えば良いのか、既知のメーザー天体に見られる共通点などについて常にグループ内で議論を重ね、私にとって貴重な経験となりました。
追記: 宿泊先(石垣青少年の家)に竹馬など、子供心をくすぐられるものがあるので楽しいですよ!
2.7. 星の学校
高校生を対象にした、天体観測の合宿。岡山県井原市美星町にある美星天文台で開催される。口径101cm望遠鏡と観測装置を使って、興味のある天体を観測し、データ解析、考察、そして、発表までおこなう2泊3日の体験プログラム。例年、3月下旬に開催される。
https://www.bao.city.ibara.okayama.jp/?p=4127
参加費: 9,300円(朝昼夕食費、宿泊費、保険料、雑費)
応募・審査の流れ: 井原市電子申請サービスまたは郵送にて、「星の学校で学びたいこと」を200字程度で記入。
募集時期・人数: 例年2月下旬に募集締め切り。
2.8. KEKウィンター・サイエンスキャンプ
KEKウィンター・サイエンスキャンプは、茨城県つくば市大穂にある高エネルギー加速器研究機構(KEK)が主催する、毎年冬休みに開催される3泊4日の科学キャンプ。参加者は、用意された4つのコースの中から1つを選び、実験を通して、実験装置の組立、データ収集、結果の解析・整理、発表といった研究の基本的な進め方を実践的に学びます。
https://www.kek.jp/ja/education/highschool
対象: 応募時点で、高等学校、高等専門学校(1~3学年)または中等教育学校(後期生)等に在籍する学生。
費用: 参加費無料(食費、宿泊費等含む)交通費各自負担
応募・審査の流れ: 9月上旬から10月中旬頃まで。選考結果は11月末までに通知。
ホームページより参加申込書を入手し、必要事項・募集動機を記入の上郵送。
募集時期・人数: 定員24名
2.9. 理系女子キャンプ
「理系女子キャンプ」は、高エネルギー加速器研究機構(KEK)と日仏共同事業TYLが主催する、高校生女子を対象とした一泊二日のプログラム。参加者は理系大学院生との対談や第一線で活躍する女性研究者が研究の魅力について紹介したり、加速器の実験施設を見学したりする。
応募・審査の流れ: 参加申込書を記入の上、郵送にて応募。
募集時期・人数: 一月下旬締切、定員30名程度。
対象: 応募の時点で高等学校または高等専門学校の 1~3 学年、中等教育学校の 4~6 学年に在学中の女子生徒。
費用: 無料(開催期間中の食事・宿泊施設を用意、交通費の補助あり)
2.10. 数理の翼 (夏、伊計島)
「数理の翼セミナー」は、全国の数理科学に強い関心を持つ中高生を対象とした合宿型の教育プログラムである。大学教授による講義のほか、参加者同士が自由に対話・発表を行う「夜ゼミ」などを通じて、主体的に学ぶ姿勢や仲間との深い交流を育むことを目的としている。全国から同じ関心を持つ仲間と出会える点も大きな魅力。
セミナーは毎年春と夏の年2回開催される。春に沖縄県伊計島で行われる「伊計島セミナー」は、中学1年生から高校2年生を対象に約25名を選抜し、4泊5日の合宿形式で実施される。参加費は1万円で、航空券は主催者が負担する。夏に開催される「夏季セミナー」は高校1年生から3年生を対象に約40名を定員として実施され、参加費は無料で交通費も主催者が負担する。
https://seminar.npo-tsubasa.jp/45/
https://seminar.npo-tsubasa.jp/island2025/
https://www.npo-tsubasa.jp/
応募・審査の流れ: フォームにて応募動機・自己PR・あなたが学問的に興味深いと考える話題やその理由を記入。
募集時期・人数: 伊計島セミナー、一月上旬締め切り。夏、例年五月上旬締め切り。
2.11. 未踏IT人材発掘・育成事業
概要: 未踏IT人材発掘・育成事業は、ソフトウェア関連分野においてイノベーションを創出することのできる独創的なアイディア、技術を有するとともに、これらを活用していく能力を有する優れた個人を、実績を持つプロジェクトマネージャーのもとに発掘・育成するプログラム。
応募・審査の流れ: 必要書類をフォームから提出。提出書類に基づいて書類選考が行われ、通過者には対面またはZoomでのプレゼン・質疑応答の二次審査が行われる。
https://www.ipa.go.jp/jinzai/mitou/it/about.html
受けられる支援
〇分野の第一人者であるPM(プロジェクトマネージャー)によるメンタリングなどの支援
〇合宿などで同期やOB・OG、有識者との交流・ディスカッションの機会
〇最大288万円のプロジェクト推進費用を支援
募集時期・人数: 書類選考の締切は例年三月中旬。
2.12. 未踏ジュニア
17歳以下の小中高生や高専生を対象に、独創的なアイデアと技術を持つ若きクリエイターを支援するプログラム。独立行政法人IPAの未踏事業修了生を中心とした一般社団法人未踏が2016年から運営。参加者は6月から11月にかけて約6ヶ月間にわたり開発を行い、期間中には全員が集まる合宿や成果報告会なども実施される。
受けられる支援
〇メンタリング: 週に一回ほどエンジニアや専門家からサポートが得られます
〇開発資金: 各グループ50万円を上限とし、開発資金の援助
〇開発場所: 必要に応じて、開発場所や工作機材の支援が得られる
〇スーパークリエータ: 認定特に顕著な成果を残した方を表彰。慶應SFCや都立大学、近畿大学に推薦枠で出願できる
応募・審査の流れ: 一次選考では、開発するプロジェクトと、自身の開発経験などを提案書に記入し、フォームから提出。審査を通過した人にはオンライン面接(二次選考)がある。
募集時期・人数: 書類選考の締切は例年3月下旬
2.13. 情報科学の達人
「情報科学の達人プログラム」は、情報学分野を目指す中高生・高専生を対象に、研究者の指導のもと先端的な共同研究に取り組むプログラム。第一段階(4月~9月)の基礎コースでは、約40名の受講生が情報学最先端の研究に触れながら興味を絞り込み、若手研究者(メンター)との対話や講義、大学訪問(8月)を通じて研究構想を深め、最終的にオンラインワークショップで研究の進捗を発表する。基礎コース修了者の中から約30名が共同研究コースに選抜され、メンターの指導のもと各自の研究テーマに基づく共同研究を行い、3月にオンラインワークショップや学会で成果発表を行う。さらに、特に優れた約10名は第二段階の発展研究コースに進み、メンターとともに研究を深めながら、外部発表にも積極的に参加する。
https://www.nii.ac.jp/tatsujin/
応募・審査の流れ: 一般公募と、情報オリンピック日本委員会による推薦がある。
募集時期・人数: 全国の中学2・3 年生、高校1・2 年生、高等専門学校1~4 年生、高校生相当の方、40名程度
費用: 受講費用は無料。交通費について、一部補助があり。
参加した先輩からの一言①: 情報科学について学習だけではなく、研究をしたいと思う人に最適なプログラムだと思います。自分は大学受験で忙しい状況でしたが、自分の状況に合わせて柔軟に取り組み方を調節させてもらい、自分の興味のある研究を楽しくのびのびやらせてもらえる素敵な環境でした。優秀な参加者が多く尻込みすることもあることがあると思いますが、ぜひ応募して貴重な機会を有効活用してください。(2022年、第3期参加)
参加した先輩からの一言②: メンターは前期と後期で変わり一グループごとについている。前期は自分が受けた授業の紹介、後期は研究の進捗を指導教授(場合によっては複数人)に報告する形。
前期では情報学の分野の研究の紹介の動画が用意されており、全部必修。一応締め切りはあるが基本的に緩め。後期では研究をメインにやり、基本的に教授はアドバイスをくれるだけ。教授は東大京大出身者が多く、進路相談にも乗ってくれるのが長所。基本的にオンラインなので実験系統の研究はしにくいが理論分野は非常に強い。
あと東大京大に研究室訪問に行ける。⇦とても楽しい(2023年度参加)