入院中の中高生の悩みに寄り添いたい!感情を理解できるAIを用いた相談サービスを開発!鈴木真理さん研究インタビュー
これまでに多くの入院と退院を繰り返してきた鈴木さん。入院生活のリアルや、その経験を活かして開発されたプロダクト「ポラリス」についてインタビューしました。

なのめーとる。 本日はよろしくお願いします。まず自己紹介をお願いします。
鈴木 佼成学園高校2年※1 の鈴木真理です。僕を端的に表すと、「とても長く入院している人間」と言えるかもしれません。だいたい2年に1回ぐらい入院していまして、最初は幼い頃に痙攣で入院し、その後も喉の病気や今回の開発のきっかけとなった脳腫瘍で入院しました。脳や喉、手、足など、ほとんど全身の部位に関係して入院を経験してきました。
僕が今回紹介する開発をしている理由には、入院に関するイメージが深く関係しています。
入院というと、僕はドクターX、ブラックペアンのように、きれいで明るい病室に、常に看護師さんとお医者さんがいてくれるようなイメージを持っていました。お二方はどうでしょう?入院と聞くとどんな印象を受けますか?
※1:学年および記事内容は2025年2月時点のもの。
なのめーとる。 普段の喧騒から離れて、静かで少し寂しいような印象を受けます。
りす 僕も似たような印象を抱きますね。何回か入院したことがあるのですが、退屈なイメージしかないですね。
鈴木 ありがとうございます。そうですね。それを踏まえて、僕は今、入院中の患者、特に中高生向けのAIを作っています。実際に作ろうと思ったきっかけとして、僕自身が脳腫瘍だと診断された経験があります。そこで病気についてAIに聞いてみたら、さらに不安になる回答だったり、冗長な文章で何を言いたいのかわからない回答が返ってきてもっと思いやりをもって接してほしい、自分を理解してほしいと思いました。そこで入院している他の人達も同様の悩みを抱えているのだろうか、と考えたのです。
僕が脳腫瘍と宣告されたのが、去年の1月です。その時に2回短期間入院して、その後3月あたりに比較的長めに3週間ほど再び入院しました。
実は入院中にはほとんど看護師さんと会話する機会がないんです。僕が所属していたのは大学病院で、9時から14時には通常の診察が始まってしまい、その後も他の方の手術がある影響で実際に人と話せる時間は1日に30分ぐらいしかありませんでした。さらにその30分の間に食事の配膳や体温・血圧の測定があるため、とても日常会話ができる状況ではなかったんです。それならAIと話してみようと思っても要領を得ない答えばかりで。だったら親や友達に話を聞いてもらおうと思っても、都合が合わなかったり、気まずい雰囲気になったりして孤独を感じてしまう。こういった背景があって、僕はアベンジャーズの映画で出てくるアイアンマンのAIや、ドラえもんのような、個人に最適化されたAIを作りたいと思っています。
なのめーとる。 先ほど入院中にしたAIへの質問が要領を得ない、冗長なものだったことが研究を始めるきっかけだとおっしゃっていましたが、入院する前からAIやプログラミングには興味があったのでしょうか?
鈴木 そうですね。元々ものづくりが好きで今作っているAIのプロダクト以外にも小説や音楽を作ることがあります。プログラミングは中学生の頃にプログラミングスクールに通わせてもらって、知識や経験を得ることができました。
なのめーとる。 それでは改めて、開発されているものについて教えてください。
鈴木 まずはこちら(画像)をご覧ください。こちらはGoogleが作ったGeminiというAIです。例えば、余命宣告を受けたガン患者が、明日死ぬかもしれないとAIに送ってみると「医師から詳しい説明を受けて納得できるまで質問ができます」「家族や友人と話すことで気持ちが楽になります」といったような返答が返ってきます。しかし実際は先ほどお話ししたように納得するまで質問することはできません。実際に僕が入院した病棟ですと1人の看護師さんが基本的には7人の患者さんを、多い時期では15人の患者さんを見るという現状がありました。食事の配膳をしてもらったり、他にも体温や血圧を測ってもらったりしてお礼を言おうとした時にはもうそばにいないというような状況なのです。次に家族や友人と話すことで気持ちが楽になる、ということですが、話を聞いてくれる相手に「脳腫瘍で死ぬかもしれない」と言っても、相手はどのように返答すればいいかわからない、実際にどのような状況かもわからないということになって気持ちは楽にならないのです。



それを踏まえて現状足りていないものは自分を理解して寄り添ってくれる存在だなと考えました。今回開発したものは入院中の高校生を対象としたAIを用いた感情を理解できる相談サービスというものです。ポラリス、という名前がついていますが、この名前は、大航海時代に船乗りが道しるべとして使っていた北極星のように、不安にかられる入院中の高校生の道しるべとなってほしいという思いを込めました。このプロダクトを一語で言うと、ユーザーの不安やストレスを軽減するツールです。実際のプロダクトがこちらです。
![Polarisのトップ画面のスクリーンショット。[Polaris]というテキストの下に[Start][カメラ]という2つのボタンが表示されている。背景はオレンジに染まった空と星空が表示されている](/_astro/polaris-welcome-screen.DsiERtVi_6uNww.webp)
![Polarisの会話画面のスクリーンショット。制服を着た少女のイラストに[お悩み相談AIのソラ]という吹き出しが書かれており、画面下部のテキストボックスには[入力欄]という吹き出しが書かれている。](/_astro/sora-welcome-screen.rNXI36Ta_Z1KGqhN.webp)

例えば先ほどと同じように「明日死ぬかもしれない」と入力すると、「本当に良く頑張っているね」「よくわかるよ」といった声かけを、また、「少しでも楽しいことはあった?」というようにユーザーの気持ちを少しでも楽にできるような返答をしてくれます。このように、本プロジェクトの目的は感情を理解し、ユーザーひとりひとりに最適化され、寄り添うことができるAIツールの開発です。
僕がこのプロジェクトに取り組む理由としては、やはり死を覚悟することに恐怖を覚えるからです。3月に3週間ほど入院した際に出会った、僕と同じように悩んでいる高校生の子たちにも苦しい思いをしてほしくないという思いもあります。最終的な目標は入院中の高校生が不安なく治療に専念できる、そんな環境を作ることです。
入院中にはいくつかの問題点があって、まずは人と話すことができない。そして、ネガティブな会話が多く気分が落ち込んでしまう。さらに、看護師さんは多忙で時間を取って相談できない、ということがあります。
コロナ禍では多くの病院ではお見舞いが禁止されネットに繋がるものも無いという状態で、病院によってはスマホも使えなかったというようなことがありました。普通、人は1日に6時間以上誰かと話すと言われているのに、入院中は30分以下。
また、僕たち高校生はただでさえ受験や部活、学校での人間関係など、不安や心配が多い時期を過ごしていますよね。それに加えて僕は入院中、手術後に目が見えなくなるかもしれない、手足が動かなくなるかもしれない、もしくは記憶がなくなるかもしれない、という不安が入院期間が増えるにつれて多くなっていきました。果たしてこのような状況で治療に専念できるのだろうか?そう考えてポラリスを作りました。
ほかのAIとの違いとしては、納得するまで質問ができる点や、体が不自由でも使える操作性や低コスト性などがあります。
ちなみに、入院中はネットワークが弱く、Googleを開くのに30秒ぐらいかかります。YouTubeや電子書籍も開けません。先ほど小説を書くのが好きだと言いましたが、その小説を読んだり書いたりできるサイトも開けません。
もしお二人が脳腫瘍だと診断されて3週間の入院が必要だと言われたら何を持っていきますか?
なのめーとる。 私は本を持っていくと思います。
鈴木 なるほど。ちなみにどれぐらいの大きさですか?
なのめーとる。 文庫本3冊ぐらいですかね。期間によりますけど。
鈴木 実は入院中は持ってきたカバンを置くスペースすらないことも多いです。ですから、文庫本3冊だと持って入れないかもしれません。りすさんはどうですか?
りす スマホとパソコンだけあればなんとかなるだろうと思っていました。が、想像以上に大変そうですね。先ほどGoogleに接続するのに30秒かかるとおっしゃっていましたが、それは病院のWi-Fiを使った場合ですか?
鈴木 そうですね。僕が入院した病院にはWi-Fiがあったのですが、とても遅かったんです。今は電子書籍やネット上でマンガを読めるサービスも普及しているのに、いざ入院してみたらインターネット機器は使えず、途方に暮れたという経験も今回のプロジェクトにかかわっています。
開発に関してですが、開発にはゲームエンジンのUnity、AIの研究やアプリ開発に多く使われているPython、そしてChatGPTを使用しました。ユーザー側から入力を行って、AIが回答を生成します。内部処理の過程は、最初にユーザーの顔写真をUnityのWebcam Textureというプログラムを用いて取得し、PythonのPy-Feat※2というライブラリで顔の表情を分析します。そしてその結果を分析結果をChatGPTに送信し、またUnityのUIにプレゼンとして表示します。実際の表示画像では怒り、恐れ、悲しみ、喜び、驚き、そういった内容を数値として表示することができます。
※2:オープンソースの表情分析ツール。 顔の特徴抽出や感情分類などの機能を提供し、表情データの解析を行うことができる。
実際のプロンプトに関しては僕自身の入院経験をもとに、臨床心理士とスクールカウンセラーとして働いている母に協力を依頼し、実際のカウンセラーや臨床心理士が人と話す時に使用している傾聴、共感、承認という3つを用いて相談、寄り添うプロンプトを作っていきました。僕の入院経験で言うと、例えば家族でも面会できないことがある、スマホの使用が制限されることがある、お医者さんとは頻繁に会えない、といった状況から顔の表情を元にした感情分析に関して、怒りや悲しみ、恐れ、不安、喜びなど合計7つの感情を分析できます。こちら(画像)は実際に入院中ちょうど手術の成功を聞いて早速ポラリスで会話していた時に撮影したものです。

実際に僕が喜んでいるのと同様にHappinessが一番高くなっています。これを元にAIがリアルタイムで感情を理解し、状況にあった返答をしてくれます。例えば喜んでいるのであればなぜ喜んでいるのかを理解してくれる、人間以上に人間に寄り添ってくれるAIになっています。
僕が入院していた2つの病院で、患者さん、看護師さん、医師、教授など合計17名の方に試してもらって、様々な回答をいただきました。その中で、やはり医療従事者の方々でも、患者に対してどう接したらいいのかわからなくなることがあるようで、ポラリスは「これまでになかったサービス」「とても気が楽になる」といった評価をいただきました。それと同時に「AIの応答が早すぎる」「過去の会話を忘れる」「ユーザーの悩みに必要以上に質問してくる」という改善点もあることがわかりました。
そのため、現在、単語埋め込みという技術や、検索拡張生成という技術を用いて、会話のデータや顔の表情分析結果をより深く理解し、的確な回答や応答ができるように試行錯誤を重ねています。
なのめーとる。 先ほど鈴木さんがおっしゃっていた、「お医者さんに納得するまで話を聞きましょう」「友人や家族に聞くと気持ちが和らぐかもしれない」といったGeminiの回答は理論的には正しい点もあると思います。実際、インフォームド・コンセントを重視する現代の医療では、患者には不安についても納得がいくまで聞く権利があると思います。しかし現場では納得のいくまで話す時間はとれないという現状があって、鈴木さんは理論だけでなく現状に沿ったAIを開発されていることがよくわかりました。
りす 想像以上に病院の環境が制限されていることを知れて面白かったです。また、AIに聞いても当たり障りのない、ありきたりな回答を返してくるのも、そういうものだと割り切っていましたから、それを調整して使えるようにするという着眼点が面白いなと思いました。質問なのですが、ポラリスの配布は行っているのですか?
鈴木 基本的にはUnityはゲーム制作や映像制作に使われるのですが、僕が今行っている手順としては、Unityで作ったものをunityroomという配布サイト上で稼働させています。また、Unityをパソコン上で使えるようにするといったような方法もあります。
りす 最初のパッケージさえダウンロードすれば、あと必要なのはAPI等の通信だけになるので通信環境が悪くても利用しやすいのですか?
鈴木 そうですね。特にサイトの方ではなくUnityパッケージ、アプリ化したものであれば、GoogleやYouTubeが全く開けないような状態でも基本的に1秒2秒かからずに返答できていたので通信環境が悪い入院中でも問題なく使えると思います。
なのめーとる。 入院している患者さんたちに、使ってもらってフィードバックを得る調査をされていると思うのですが、今後は研究倫理審査等を受けることも想定されているのですか?
鈴木 そうですね。大会やコンテストの場で教授や研究者の方とお話しする際にそのような指摘を受けました。ただ、過去に入院した病院に共同研究の申請を行っています。今まで倫理審査を受けていなかったので、その点を踏まえて今後は病院や大学を経由して研究を行うことを考えています。
りす 先ほどGeminiやChatGPTに言及されていましたが、ポラリスに適したAIはありますか?
鈴木 元々僕がChatGPTを多く使っていたのですが、GeminiのAPIは少し返答が遅く、ChatGPTは比較的全体的にレベルが高いです。逆にGeminiは検索や倫理的な部分、統計管理に優れています。結局、僕が昔から使用していて、かつ頻繁にアップデートが行われるので、現在はChatGPTを使用しています。
りす なるほど、ありがとうございます。いわゆるロールプレイはGeminiよりもChatGPTのほうが得意ということでしょうか。今後の展開に向けてプロンプトもそれぞれのユーザーに合わせて変更することも想定されているのですか?
鈴木 そうですね。現状は「あなたは感情を持った臨床心理士です。ユーザーの悩みを聞き、相談を受け解決します」といった一つのプロンプトしか運用できていないのですが、今後は先ほどお話しさせていただいた検索拡張生成で、3語文を生成して随時プロンプトを変えていくことを考えています。例えば、この人は海の話をする、サーフィンの話をするから今後はサーフィンの話をしようといったように、ひとりひとりに最適化できるようになることを目指しています。
りす 現在はユーザーの入力以外の部分が固定されていると思うのですが、その部分もゆくゆくはユーザーの入力に応じて変更されるようになるということですか?
鈴木 そうですね。ユーザーの顔写真をPythonやUnityを用いて感情を分析し、その結果をChatGPTに送信するのですが、ユーザーからの入力を受けて、一般的な感情データと、主観的なユーザーからの入力の2つを踏まえて返答を行う予定です。
なのめーとる。先ほどAIの返答が早すぎて人間味がない、というお話もされていましたが、その問題に関してはどのようなアプローチをされているのですか?
鈴木 今は未完成ですが、会話データと感情データの分析を行なった後に、この会話には早く返答してほしいだろう、この会話にはゆっくり深く考える印象を与えたほうがいいだろう、といったことを分析することで、AIがUnity側のシステムを変え、表示速度を変更するシステムを考えています。
なのめーとる。表示する速度ですか。
鈴木 そうですね、表示する速度を無理やり変更していくということです。例えば「おはよう」のような挨拶なら「おはよう」と素早く返す。「頭が痛いんだ」というような入力ならその返答を何秒か遅らせることで、あたかもAIが返答を考えているかのように見せるというスタイルを考えています。
なのめーとる。 ありがとうございます。お悩み相談のAIとして素早く応答することを強みとして、今のAIとは一線を画している点が素敵だと思いました。
りす 研究内容とは少し違うのですが、入院経験がもととなってAIの開発を志したのか、それとももともとAIに興味があったからこそ現状のAIの課題が見つかって開発につながったのか、どちらの経緯なのか気になりました。
鈴木 もともとAIに関する知識はあって、脳腫瘍の宣告を受けてから軽い気持ちで調べようとAIを使ってみたという感じです。そこからはお話しした通りですね。
りす なるほど、ありがとうございます。
なのめーとる。 それでは、研究や開発を進める中で楽しいと感じたり、面白いと感じる部分があったら教えてください。
鈴木 実際に自分が作ったプロダクトを人に使ってもらって、フィードバックが返ってきて、もっとプロダクトをより良いものにできるのは楽しいです。また、元々AIの知識があったとはいえ、ネットで調べたものや、ChatGPTが書いたコードをコピペして動かすだけだったりしたので、いつ死ぬか分からないみたいな状況になったときに、もうどうにでもなれと思って、損得を考えず自分の面白いことをポジティブに考えて開発ができたことも楽しかったです。
なのめーとる。 逆に、開発をされている中で、苦労したことはありますか?
鈴木 入院中に開発を行っていても、先ほど言った通りChatGPTにアクセスできなかったためわからない部分もすべて自分で試行錯誤しなければならなかったので大変でした。
なのめーとる。 先ほど「なぜ鈴木さんがポラリスを開発するのか?」という点もお話しくださいましたが、開発に思い入れがあるご自身だからこそ苦労してしまったところもあったということでしょうか?
鈴木 試行錯誤を繰り返す中でエラーが出て、データが全部消えてしまうこともありました。それは大変でしたね。
なのめーとる。 なるほど。先ほどAIなどに興味があったとお話ししてくださっていますが、それはいつ頃からですか?
鈴木 小さい頃に漫画でスーパーマリオを知ったのですが、親は僕にゲームを遊ばせたくないと考えていたので「じゃあ作ればいいんだ」と思って、マリオカートを段ボールで作ったことがあるんですね。ハンドルを作って、紙に書いて、アクセル踏んだら少し動くようにして作っていると、母から「そんなに作るのが好きならプログラミング教室に通ってみたら?」と言われました。最初は遊び感覚で色々なことをやっていました。本格的に教室に通い始めたのは中学1、2年生くらいです。最初はVRやプロダクトの開発を始めていて、その時にVRとAIという新しいものがとにかく好きだったので、AIに興味を持ちました。最初はドラえもんのようなAIを作ってみたいなと思っていて、さらに入院を経て「自分と同じように他の子も困っているんじゃないか」といったアイデアを得ることができたため、今回のポラリスというプロダクトを作れたと考えています。
なのめーとる。 なるほど。ありがとうございます。ポラリスの開発はいつから始められたのですか。
鈴木 ちょうど1年前の今頃ですね。
なのめーとる。 すごいですね。私は情報系に疎いのですが、1年でここまで完成できるというのは、素人目に見ても凄いことだと思いました。
鈴木 ありがとうございます。
なのめーとる。 ポラリスの開発以外で、プログラミングやAIの操作で楽しいと思うところは何ですか?
鈴木 一番楽しいのは、自分が長い時間をかけて作ったプロダクト、プログラムが思い通りに動く時ですね。「やった、ようやくできたぞ」と思っても、またエラーが出てきて失敗することももちろんあります。そういったことを繰り返す中で、周りから「ゲームを作る、遊ぶものって将来の役に立つのか」と言われた時に、「役に立つよ」と言えるように、自分の成長を少しずつでも実感できるのはいいことだと思っています。
なのめーとる。 素敵ですね。鈴木さんがポラリスやAIにとても情熱を持っていらっしゃることがよく伝わりました。今度は鈴木さんの日常生活についても教えてください。
鈴木 小さい頃は動物が好きで、ホワイトテリアという犬を飼っていました。ほかにもハムスター、カブトムシ、アリも飼っていました。ほかには動物系のゲーム、特に育成ゲームを時間があるときに作ってみたいです。あとは自分が書いてる小説をモチーフにしたファンタジーゲームも作ってみたいです。小説は情報系、特にAIをモチーフにした小説を書いています。サイバーファンタジーみたいな、そういった新しい領域とかの開拓をしてみたいなとも思います。
なのめーとる。 ありがとうございます。今後の進路や、将来したいことなど、そういった将来のビジョンがあれば教えてください。
鈴木 現在は大学は情報系に進学しようと考えていて、大学院まで進学する予定です。それで、高望みなんですけど、OpenAIに就職したくて。大学ではAIやコンピュータサイエンスに関する講義を取って、ある程度知識をつけたらアメリカ、カナダ、中国などそういったところに留学をして、ポラリスをきっかけにもっと人を喜ばせることができたらなというようなことを考えています。
なのめーとる。 そういった情報系の学習を進めていく中でも、ポラリスをもっと良くしたい思いもあるんですか?
鈴木 そうですね。基本的に大学でもポラリスをベースにしていく予定です。やっぱり今の最先端の研究や開発は大学やOpenAIなどのAIに特化したところに所属しないとできないので、そういった面を踏まえてもまずはポラリスを自分で作って、大学に入学してから実際に最先端で戦っていらっしゃる研究者の方々に改善点や良い点含めて指摘していただいて、それを元に多くの人と協力して人を喜ばせられるような素晴らしいものを作っていけたらと思っています。
なのめーとる。 ありがとうございます。先ほどおっしゃっていたように実際に患者さんに使ってもらってフィードバックを得るところからも、ただ作って終わりではなく実装まで続けていくスタンスが鈴木さんの研究のあり方なのかなと思いました。
鈴木 ありがとうございます。
なのめーとる。 最後に、Larva06の読者に対してメッセージをお願いします。
鈴木 まずは僕と同じように入院している子供たちに向けて。それこそ僕がバックアップをしてなくて全部データが消えた時みたいに、不安だと思うんですけど、今は何とかなってます。今医療も進んでいて、あまり話すことはできなくてもお医者さんや看護師さんが夜遅くまで働いてくれているので、絶対に諦めないでほしいです。
次に、今部活や受験勉強を頑張ってる子たちに向けては、また綺麗事っぽくなってしまいますが、「今を生きよう」という言葉でしょうか。最近は将来に対して不安を抱くような情報ばかりで、そのことに目を向けてしまうことも多いけれど、実際に今、自分が毎日を楽しむことを大事にしてもいいと思います。
なのめーとる。 インタビューは以上です。私も医療に関連し、患者さんとの接し方を考えていくような研究をしているので、鈴木さんとは通じあうところがあってとても楽しかったです。ありがとうございました。
りす 開発に関して面白い話が色々聞けて楽しかったです。今日は本当にありがとうございました。
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